はじめに
去る2019年8月12日、バーチャルYouTuberの電脳少女シロちゃんが、二歳の誕生日を迎えた。
めでたい。本当にめでたい。
聡明な読者諸氏には当然御存知、釈迦に説法も甚だしいところであろうが、シロちゃんは2017年8月12日に自己紹介動画を投稿して以降、毎日欠かさず動画を投稿し続けている。投稿し続けて、ついに2年が経った。
2年。2年である。どのくらいすごいことか、直感がとっさに働かないくらい長い期間だ。
そもそも一回5分～20分程度の動画を700本以上作ること自体が難しいし、それを興が乗った時に一気に作る、とかではなく、毎日継続して作り続ける、というのがどれだけ難しくて、努力の要ることなのか、私には見当もつかない。
そんな多忙な中でも、様々なイベントに参加し、ファンや他の人々と交流を深め、そして何より楽しく活動してくれる、それがどれだけ有り難く、貴いことか。
前置きが長くなりそうなので、切り上げて本題に入ろう。
シロちゃんの生誕を祝う気持ちが高じて、今回私は謎解きを作った。
シロちゃん、2歳のお誕生日おめでとうございます！ 毎日欠かさず動画投稿を続けて2年という月日が経ったこと、その日をこうして他のシロぐみさんとも一緒に迎えられたことが嬉しくてたまりません。
— かりばぁ🐬 (@KRiver1) 2019年8月11日
2歳になったシロちゃんに、とっておきのナゾを出題します。#電脳少女シロ生誕祭#SiroTalk #SiroArt pic.twitter.com/8oklHWgTM5
この手のものを作るのは生まれてはじめてなので、謎解きと言えるようなものになっているかはわからない。
ただ、Twitterでも言ったとおり、「バーチャルな世界に生きるシロちゃんに、データだけではなく何かを手にとって欲しくて」、謎解きという形にすることを決めた。
勝手な思い上がりだが、ファンとはまあ、そういうものだ。
さて、本ブログ記事の趣旨は、この謎解きの解答を提示することである。
まだ解いていない方は、せっかくなので、ぜひ自分で試してみてほしい。
印刷をして解くことを、強くおすすめする。
目次
解答
全体を眺める
まずは、全体を眺めてみる。
1枚目。格子状の枠の中に、文字がたくさん書かれている。よく見ると、電脳少女シロ、もこ田めめめなど、どっとライブのメンバーの名前があるようだ。
2枚目の方は何も書かれておらず、謎の模様だけがある。1枚目より、一回り小さい。
最初のナゾ（電脳少女シロ）
さて、1枚目をよく見てみると、枠の外に文章が書かれている。
「誕生日おめでとう！最初のナゾ：電脳少女シロの四つ右の字と六つ下の字読め」
記述に従い、「電脳少女シロの四つ右の字と六つ下の字」を読んでみよう。「電脳少女シロ」は真ん中のあたりに居る。
「ロ」の文字は他にもいくつかあるが、「電」「脳」などの文字は1つずつしかないし、その散らばった「ロ」の四つ右を読んでも意味は通らない。素直に中央の「電脳少女シロ」の四つ右、六つ下を読んでみる。
出てきた字をつなげると、「シロい字探し」「六つ左を読め」と読める。
「シロい字」が何か問題を見渡してみると、ちょうど白色の字が2組あることに気づく。
「夜桜たま」「メリーミルク」だ。
その六つ左を読んでみよう。
シロい字（夜桜たま、メリーミルク）
先程と同様につなげて読んでみると、「緑の字の」「三つ下を読め」となる。
緑の字は、ちょっと見つけづらいが「神楽すず」「八重沢なとり」がある。
「金剛いろは」が目立つが、これは緑背景なだけで文字色自体は黄色だ。
緑の字（神楽すず、八重沢なとり）
「迷路辿リ」「上の英字読む」となった。
「迷路」とは一体なんのことだろう？
ここで全体を眺めてみれば、意味ありげな矢印が2つあることに気づくだろう。
よく見ると、黒い点もたくさんあり、格子の角や辺に配置されている。
そう、この格子は実は、「迷路」だったのだ。
迷路を辿る
実際に辿ってみると、以下のような経路のみが、迷路の解になりえることがわかる。
迷路の「上の英字」には緑の印を付けた。
英字を順に読むと、「FOLDTOMATCHGREENLINESGOBEGINNING」、つまり「Fold To Match Green Lines Go Beginning」となる。
「緑の線を合わせるように折り、最初に戻る」というような意味になる（英語が間違ってたらごめんなさい……）。
緑の線を合わせ、折る
「緑の線を合わせる」とはどういう意味だろうか。
注意深く観察すれば、問題の中に「緑の線」が4本あることに気づくだろう。
これを合わせるように折る方法は、縦に折るか横に折るか、2通りしかない。
そして、緑の線が「Match」していることを確認できるように折る方法は、1通りしかない。
このように折り、
そして、こうする。
このように折れば、緑の線が「Match」していることを確認しつつ、「Fold」することができるだろう。
（このあたりは、実際に印刷して取り組むとかなり楽しいと思う。）
最初に戻る
「Go Beginning」の指示に従うためには、「Beginning」、つまり「最初」が何を意味しているのか、考える必要がある。
そこで思い出すのは、一番はじめにあった「最初のナゾ：」という指示だ。
指示の通り、「最初のナゾ」に立ち返って、もう一度やり直してみよう。ただし、折った紙はそのままだ。
再び、最初のナゾ（電脳少女シロ）
「誕生日おめでとう！最初のナゾ：電脳少女シロの四つ右の字と六つ下の字読め」
「電脳少女シロの四つ右の字と六つ下の字」を読もうとすれば、「六つ下の字」が先程と変わっていることに気がつくだろう。
「シロい字探し」「三つ左上読め」となる。
「シロい字」は先程と同じように思えるが、実は先程の折り畳みによって「夜桜たま」は隠れてしまった。
そこで「メリーミルク」の左上だけを読むことにする。
シロい字（メリーミルク）
左上を読むと、「黄字の七つ左」とある。
黄色の字は「金剛いろは」「牛巻りこ」がいるから、その七つ左を読もう。
黄字（金剛いろは、牛巻りこ）
「水字の十二」「字左読め」
水色の字は、「ヤマトイオリ」のみである。
紫字（カルロピノ、木曽あずき）
「迷路辿り下」「の英字読め」となる。
そう、先ほど緑の線に合わせて紙を折ったことにより、迷路の形状が変化し、迷路の解答も変化しているのだ。
実際に解いてみよう。
再び、迷路を辿る
再び、迷路を辿り、上記の解答を得る。
「下の英字」を読んだ結果は、「FOLDTOMATCHPURPLELINESGOBEGINNING」、つまり「Fold To Match Purple Lines Go Beginning」となる。
先ほどと異なり、今度は紫色の線を合わせるように折る必要がある。
紫の線を合わせ、折る
問題を眺めると、紫色の線がある。
これらを、先ほどと同じ要領で合わせて、折っていく。
最初に比べて、かなり図のサイズが小さくなった。
指示に従い、最初のナゾに三度挑もう。
三度目の、最初のナゾ（電脳少女シロ）
「誕生日おめでとう！最初のナゾ：電脳少女シロの四つ下の字読め」
紫の線に合わせて折ったことで、「右の字と六つ」の部分が内側に隠れ、問題文が変化している。
四つ下を見てみよう。
「桃色の四ツ下」となる。
桃色の文字は、「花京院ちえり」「北上双葉」がいる。
桃色（花京院ちえり、北上双葉）
四ツ下を読んでみると、「赤い字の十個」「左を見よ」とある。
赤い字は「もこ田めめめ」「猫乃木もち」がいる。その左を見よう。
赤い字（もこ田めめめ、猫乃木もち）
「迷路を辿り」「上ノ英字読め」
紫の線に合わせて折り畳んだことにより、さらに迷路が変化している。
これをもう一度、解いてみよう。
三度、迷路を辿る
三度迷路を辿った結果、今度は以下のような英字列が現れた。
「FILLTHETHREEPATHSWITHORANGE」
適当な空白を挿入すれば、「Fill The Three Paths With Orange」、「三つの経路を橙色に塗りつぶせ」となる。
三つの経路を塗りつぶせ
「The three paths」（三つの経路）とはなんだろうか？
それは、あなたがこれまで辿ってきたこの問題の解き方を思い返せばわかるだろう。
三つの経路、それはすなわち、三回に渡って解いてきたこの迷路の解答たちである。
実際に印刷してこの問題を解いていれば、おそらく迷路を解いたときの軌跡が（鉛筆やペンなどで）残っているはずである。
この経路を全て、橙色に塗りつぶしてみよう。
折り畳んだままでは塗りにくいので、一度もとに戻し、塗りつぶして、再度折りたたもう。
最後のナゾ
さて、指示文は「塗りつぶせ」で終わっており、これ以上の指示はなさそうだ。
ここからどうすればいいのだろうか？
感のいい人は、この時点で上の方に見えるお祝いの文字列に気がつくかもしれない。
そうでなくても、まだ使っていないギミックがもう一つ残っていることを思い出すだろう。
もう一枚の、謎の模様が書かれた紙である。
印刷してみないとわかりにくいことではあるが、実は二回折りたたんだ時点で、一枚目の黒枠と二枚目の黒枠はピタリと一致する。
だから、この模様を重ねて透かしてみればよい。
透かすのが大変なら、水色の部分を切り取っても構わない。
そうすると、答えが浮かんでくる。
解答図
二枚目を重ねてみれば、（ちょっと見にくいかもしれないが、）「HAPPY birthday 電脳少女シロ SIRO」という文章が浮かび上がってくる。
これが、このナゾに隠された答え、メッセージである。
黒い点・線を消去し、より見やすくしたものを掲載しよう。
おわりに
以上が、シロちゃんに贈った謎解きの全容だ。
謎解きと呼べるような、カッコいいひらめきを要するものではなかったかもしれない。だが、「一度使った要素をもう一度使う」「紙ならではの解放」など、謎解きの面白さの一部は組み込めたのではないかと自負している。
また、どっとライブメンバーの要素を入れつつ（色もちゃんと対応させている）、きれいに問題が作れたので、私自身も作っていて楽しかった。
シロちゃんのおかげで毎日が楽しいことは言うまでもないが、こうして自分のできること、経験したことのあることが、シロちゃんのおかげでどんどん広がっていくのが、私は楽しくてならない。
今日、2019年8月24日は、シロちゃんの生誕祭が豊洲PITで行なわれる日だ。
私も非常に幸運なことに、その生誕祭に参加できることになっている。
二歳になって、アホ毛も一本増えたシロちゃんに、これからも幸多からんことを。
できる応援はしつつ、シロちゃんの幸せをずっと祈り続けていたい。
